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振り向けば…
第42章 神の湯…
2枚共にLサイズ…。
私はセーターの上からでもブカブカで逆に悠真はパツンパツン…。
「他にサイズはないんかよ…。」
丈の足らないTシャツに悠真が苦笑いを見せる。
「とにかく相馬社長を探して来る。」
私だけを車に残し悠真が車から降りてまう。
一緒に行くべきかを迷うけど車を移動させてくれとか言われたら困るし…。
しばらくして悠真が車に戻って来ると私の車にヘッドライトでパッシングする外車が見える。
「あの車が相馬社長…。」
のんびりと悠真が言うとその車が発進するから後をついて行く。
山道の途中の大きな急カーブがあり、その路肩に少し車を停める事が出来る空間があるから相馬さんの車と私の車が停まった。
「寒っ…。」
先に相馬さんが車から降りて来たから私と悠真も車を降りると吐く息が白くなるほどの冷え込みを見せる山の気温を体感する。
「今日はありがとうございます。」
一応は相馬さんに頭を下げてみる。
ニヤリと笑う相馬さん。
「いいの、いいの。ラリーって貧乏だから少しでもギャラリー増やしてスタッフを増やさないと盛り上がりに欠けるからね。」
相馬さんの言葉に悠真と2人で苦笑い。
スタッフを増やす。
要するにラリー開催のお手伝いをするスタッフは皆さんが一般人のボランティアなのだと理解をする。
オフィシャルから出されたTシャツさえ着てれば誰でも参加出来る日本のラリー…。
真っ赤な生地に白い文字でオフィシャルの名前を略したアルファベットが書いてあるだけのTシャツ…。
マニアからすれば是非とも欲しい一品なのかもしれないが私と悠真にはダサいだけのTシャツになる。
「手伝うって…、何をすれば…。」
街灯もない真っ暗闇の山道のコーナーでポツンと佇む3人…。
相馬さんはハンディ無線で何かの連絡を入れてから私の方に向き直る。