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振り向けば…
第42章 神の湯…



正直…。

おばちゃんの彼氏は想像以上に良い人だ。

うちのお父さんは如何にも危ないぞという雰囲気の持ち主だけど、藤井さんはとてもお人好しな雰囲気の社長さんだった。

穏やかな笑顔で物静かな人。

今朝の挨拶の時も


「お邪魔になるようなら、奈美さんだけを四国まで送ってから僕はすぐに帰りますから。」


と遠慮を見せた人。

その為に不機嫌な悠真を私が蹴飛ばす事となり、車は3台に分けて走る事が決定した。

瀬戸大橋を渡り目的地に着くまで私は悠真の不機嫌とひたすら戦う羽目になる。

約5時間の道のり…。


「悠真はおばちゃんが幸せになるんが嫌なんか?」

「あいつが幸せにしてくれるとは限らんやろ?」

「おばちゃんは幸せや思うから一緒に居るんやろ?」

「なら、さっさと結婚して神戸に行けばええねん。」


頭でしか考えられない悠真の考え方。

そこには悠真の為というおばちゃんの思いなどは含まれてない。


「ゆう…。」

「ん?」

「悠真が誰かとちゃんと付き合うか結婚する気になれば、おばちゃんかてすんなりと結婚すると思うよ。」

「俺のせいにすんな。」


不機嫌な上にいじけてまう。

ひたすら、ため息の家族旅行。


「来夢は…、藤井を受け入れられるんか?」

「私が結婚する訳じゃないからな。おばちゃんが幸せなんやったら家族として受け入れるよ。」

「俺にはわからんわ。」


最後は凹むだけの悠真。

その後は、サービスエリアに入り皆んなで昼食を食べようという状況なのに悠真だけが食欲がないと言い車から降りて来ない。


「もしかして僕は来るべきではなかった?」


藤井さんがおばちゃんに不安そうに聞いてる。


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