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振り向けば…
第43章 何でもない…



ご機嫌のおばちゃんがゲラゲラと笑う。


「やっぱり邦弘さんと大ちゃんは男前やな。」


ご機嫌だから再びお父さんと迎え酒…。

今回はお母さんまでもが一緒に呑むという状況。


「やっぱり後片付けの心配がない至れり尽くせりってええわぁ。」


と上機嫌。

今夜もこの旅館に泊まって明日帰る予定だから両親達はやりたい放題のお正月を楽しむと決めたらしい。


「初詣に行かへんか?」


お酒を呑む気のない悠真が私を誘って来る。

下手にグズグズとしてると


「お前達ももう大人なんやから呑め!」


と酔っ払ったお父さんに絡まれる。

来人は早々に逃げ出してる。

私も悠真と逃げる事にする。


「甘栗…、売ってるかな?」

「なかったら大阪に帰ってから買うたるわ。」


悠真と恋人のように腕を組み旅館の人に教えて貰うた神社を目指す。

大阪でのお正月は商店街などのお店がお休みで少し寂しいイメージがあるのに…。

この温泉地は観光名所だけあって、あちこちが凄い人手で賑わってる。


「逸れんなよ。」


穏やかな顔で悠真が私に言含める。


「うん…。」


逸れたら悠真を失う気がする。

2人っきりなのに…。

いつもと同じで優しくて激甘なのに…。

どこかよそよそしい悠真に不安になる。


「なぁ…、藤井さんの事…。」

「オカンが好きにすればええねん。」

「なら先に悠真が恋人を作らんと難しいんちゃうか?」


急かす真似はしたくはないが覚悟を決めろやという気持ちで言うてまう。


「俺は…。」


そこまで言うたら悠真が息を飲む。


「俺は?」

「何でもない…。」


私の肩を抱いて人混みの中へと悠真が促す。

もう参拝に来た人が多過ぎて悠真と話が出来る状況ではなくなった。


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