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振り向けば…
第44章 これは現実…



悠真と簡単には会えなくなる寂しさを感じながらも聞き分けの良い女を演じてまう。


「その仕事はいつまで?」


伏せ目がちなまま悠真に問い質す。


「連休前には終わらせたい。」


毎年のように5月の連休は悠真と2人で何処かに出掛けてる。

去年は旅行が無理だったから、今年は1泊だけでも何処かに行きたいと悠真が言う。


「なら、仕事頑張ってや。」

「ああ、任せとけ…。」


悠真が目を細めて私を見る。

少し懐かしそうな寂しそうな、そんな顔にドキドキとかしてまう。


「なんやねん?」

「いや…。」


後は穏やかな顔をするだけの悠真だった。

その日は2人で私の部屋に帰ったのに…。


「おやすみ…。」


私を抱きかかえて私の額にキスをしたら、それ以上は何もせずに目を閉じる悠真だから私は何も言えずに眠りにつくしかない。

今までも私に何もしない時は何度もあった。

その気にならないと私を抱こうとはしない悠真。

連休は旅行に行くのだから…。

前みたいに2人っきりで悠真が私を可愛いと感じる瞬間があれば、きっとホテルから出れなくなるくらいまで抱いてくれるはず。

今は、新しい仕事の事で悠真も気持ちが落ち着かないのだろうとか考える。

連休までの事だから…。

聞き分けの良い女をひたすら演じる私だった。

1日が長いのが嫌いだ。

やる事はあるけど、それをさっさと済ませると時間が余る自分が嫌いになる。

趣味らしい趣味もない。

ただ無駄にノートに色んな事を書き散らす。

それをまとめてみようかと携帯サイトで小説を書いてみる事にする。

意外とこの作業が楽しくなる。

こんな、下手くそな文章でも読んで面白かったと言うてくれる人が居る。


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