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振り向けば…
第45章 臭いよ…



これ以上は何も聞きたくなかった。


「お前とは2度と会いたくない。」


自分でも驚くほどの冷たい声が出た。

しゃがみこむ悠真を残して立ち去る。


「来夢!」


2度と聞きたくない声…。

その声から逃げるようにして私は自分のマンションに向かって走り出す。

振り向けば必ず悠真が居る。

だから、もう振り向かない。

私の心は悠真を憎む事でこの恋から逃げ出す事を決めてもうた。

自分の部屋に飛び込んで鍵をかけてから初めてチェーンロックをする。

悠真が居たから、どんなに怖くても掛けた事のないチェーンロック…。

初めての悠真を拒否する行為に涙が出た。

これでええんや。

無理矢理にそう思い込む。

ただ止まらない涙を流し続ける。

20年なんて時間は一瞬で壊れて崩れるもの…。

あっという間に悠真から結婚式の招待状でも届く日が来るに決まってる。

その前に私が招待状を突き付けてやる。

ヤケクソな妄想で涙を流しながら笑う。

泣くのを止めようとか思わない。

枯れるまで泣けば20年という時が流されて消えてくれる事を願って泣く。

一晩中、泣いた私の顔は見事というくらいに腫れ上がってくれた。

鏡の中に恐ろしいほどのブスが居る。

悠真に寄り添うようにしていた萌奈さんの姿が頭にチラついて離れない。

どうせ、チビのブスなんか必要のない女だから…。

いじけて卑屈になり、ますますブスになる。

寒さや冷たさが苦手なくせに無理矢理に氷水で顔を洗い腫れを引かせようとする。

涙で腫れ上がってた顔は少しだけ収まりを見せてはくれたけども、お肌がガビガビになりメイクが出来る有り様じゃない。


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