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振り向けば…
第45章 臭いよ…



これが最後…。

お互いの鍵を交換して私と悠真は他人になる。

元々、存在すら知らない他人だった。

だから大丈夫。

最後くらいは笑うてさよならを言うてやる。

そう決心をするのに私はその日から毎日毎日、泣きながら笑う。

後3日…。

後2日…。

約束の日まで泣きながら笑う事を繰り返す。

悠真の前で涙は見せないと決めたから。

完全に涙が枯れるまで自分が泣くのを笑いながら許すだけだった。

連休に入る。

悠真と旅行に行こうと約束をしてた連休。

ハワイに行く約束もまだなのに…。

私は悠真と他人になる話をする事になる。

気合いを入れてメイクをする。

悠真がお気に入りだったワンピースに着替えて悠真の好みを演出する。

今更、くだらない背伸びをしたところで萌奈さんに勝てるとは思うてない。

でも最後くらい私を可愛いと感じた悠真を思い出して欲しいと思う。

そして、そう感じた私は2度と戻らないと理解をして欲しい。

悠真に同情はしない約束だから…。

私はそうやって悠真を突き放す事だけを考える。

朝食を済ませて悠真のマンションに向かう。

萌奈さんやおばちゃんが居たらファミレスにでも移動しなきゃとか考える。

だから涙は絶対に出さない。

暗示のように自分に何度も言い聞かせては悠真との会話を頭の中でシュミレーションする。


『久しぶり、元気?』

『悪いけど、うちの鍵を返してね。』

『もう2度とメッセージとかしないでよ。』


それを笑うて言うだけや。

大丈夫。

私なら大丈夫。

自分に言い聞かせるたびに心臓の鼓動が高鳴り、胸に痛みを感じる。

エレベーターのボタンを押す手が震えるのに私はひたすら大丈夫と呟き続ける。


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