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振り向けば…
第45章 臭いよ…
「なぁ…、来夢。お前が何に怒ってんのか、俺にはさっぱりわからんし、お前がそうやって怒ってるなら俺がお前を傷付けたんやとは思うてる。」
悠真が低い声で一方的に話をする。
「けどな、お前にはどうしても言うて起きたい事がある。あの日、オカンにも萌奈にも同じ事言うた。」
悠真の声が震えてる。
震える手で何度も私の髪を撫でながら悠真が私に伝えたい言葉を綴る。
「俺はお前を妹やとは思うてない。いつか俺が少しはお前の気持ちを理解が出来るようになるまでは俺はお前の傍に居たいんや。」
そのまま、そっと私を抱きしめる。
臭いよ…。
悠真…。
映画みたいな台詞やんけ…。
普通の人みたいな感情のない悠真だから、照れや恥ずかしさがないらしい。
「ふえぇぇぇ…。」
あれだけ泣いたくせに悠真にしがみついて大声を出して泣いてまう。
「なぁ…、だから…、とにかく泣くな!一体、俺の何が悪かってん!?」
アホがアタフタと狼狽える。
「ゆう…が…、浮気した!」
「はぁ?何の話やねん!?俺がいつ浮気した!?」
「萌奈さんと浮気した!」
「ちょっと待て!一体、どこからが浮気やねん!?」
「萌奈さんのご飯食べた!悠真のベッドに萌奈さんを寝かせた!萌奈さんの為なら洗い物もするし食洗機買うたる言うたし、萌奈さんの為なら…。」
「ちょっと待てい!?」
慌てる悠真が私から溢れ出した苦情を止める。
そこからは1つづつ誤解の紐を解いていく。
「まず、萌奈の飯は外食感覚や。俺が金払うて萌奈が飯を作る。材料費も全部俺が出してんねんから食わな損やんけ。しかも、萌奈が作る飯って来夢の倍くらいの値段がかかるんやぞ!」
なんとなく悠真をケチ臭いとか感じてまう。