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振り向けば…
第46章 泥棒猫…
心臓が壊れそうな気がした。
軽い頭痛もして耳鳴りまでしてた。
「一体、なんなん?」
自分自身の事なのに自分に起きた事がわからない。
「来人は家か?」
悠真がそう聞いて来る。
「来人?」
この連休に弟の居場所なんか私は知らない。
悠真が私の携帯から来人の携帯に連絡をする。
内容は私に突然起きた呼吸困難についての話…。
「持病ではないなら、そうなるんやな?」
そんな話を悠真がしてる。
私はただ悠真の腕にしがみついて悠真の話を聞き続ける。
電話が終わると悠真が私の頭を撫でる。
「来夢には妙な持病がない以上は、ストレスによる一時的なパニック障害やろうと言うとる。」
弟の診断内容を悠真が言う。
「パニック障害?」
「単発なら問題ないけど、何度も起きるなら病院に行け言うとった。」
「大丈夫…。」
「ほんまか?」
そう聞かれても答える事が出来ない。
ストレス…。
この家で私の居場所を失った事が私にとってはよほどのショックだったらしい。
だけど今は悠真が仕事に忙しいのだから、そんなくだらない事で心配をかけさせてる場合じゃない。
「大丈夫…、朝ご飯を作って、荷物を取って来る。」
「一緒に行こか?」
「1人で行けるよ。悠真は仕事を早く終わらせて。」
悠真の仕事さえ終われば私の不安はなくなる。
ベッドだって買い替える言うてくれた。
私の為にもう2度と他人をこの家に入れないとも言うてくれた。
要するに私の気持ちの問題だ。
萌奈さんとは何もなかった。
そう言い切った悠真を信じればええだけや。
悠真に仕事をさせる為に朝ご飯の用意をする。