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振り向けば…
第46章 泥棒猫…



後1日…。

明日には間違いなく仕事が終わると言うてた。

その後は私と好きなだけ連休を楽しむって約束をしてくれた。

たった後1日…。

その1日すら私に追い討ちをかける人が居る。

悠真のマンションのエントランスの前には何故か萌奈さんが居る。

ここはオートロックだから簡単には中には入れない。

その萌奈さんがインターホン越しに悠真と何かを話す姿を見ながら私は鍵を使ってオートロックの扉の中へと滑り込む。

彼女が入って来たらどうしよう?

早く扉が閉まって欲しいと確認をしながらエレベーターに乗り込んだ。

急いで悠真の家に帰ると悠真がリビングでまだインターホンに接してる。


「だから、無いもんはない。」


そんな声がする。


「悠真…。」

「来夢が帰って来た。来夢、お前…、イヤリングとか落ちてるのを見たか?」


悠真が私に聞いて来る。

私は首を横に振る。


「萌奈がイヤリングを失くしたから、この家で探したい言うてるんや。」


悠真の言葉に更に私は首を横に振る。


「さっきも言うたけど、この家に人はもう入れないて決めたんや。万が一、イヤリングがあったら東京の会社に送ったるからもう帰ってくれ。2度とここには来るな。」


そんな事を悠真がインターホン越しの萌奈さんに言うてる。


『でも、ないと困るんです。』

「ないと困るようなもんを他人の家に持って来る方が悪いんやろ?俺は忙しいし、お前みたいな暇人とちゃうからもう切るぞ。」


一方的に悠真がインターホンを切る。


「一体、何なん!?」


またしても発狂寸前の私になる。


「萌奈ん家は父親しか居ないんや。」


そんな話を悠真がする。

料理人の父親…。

離婚した母親。

その母親からのプレゼントだったイヤリングをこの家で失くしたと言うて萌奈さんが現れたと悠真がため息をつく。


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