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振り向けば…
第47章 20年分の信頼…
この先の未来で私はこの冷たさを何度味わう事になるのだろうとか考える。
初めて悠真の冷たさを感じた萌奈さんが涙を零す。
「始めにオカンが言うたやろ?俺は絶対に他人を受け入れる事がないって…、来夢は家族やけど萌奈はあくまでも俺には他人や。泣こうが喚こうが俺が迷惑やと感じれば容赦なく排除する。」
萌奈さんの涙にも悠真の冷たい心は動かない。
感情のない悠真を怖いと感じる瞬間。
「来夢、来い…。」
悠真が私だけを呼び玄関の中へと入れてくれる。
「悠真…。」
怖いくらいに冷たい悠真にしがみつく。
「あー…、来夢、ちょっと待て…。」
玄関の扉が閉まると悠真が私を突き放す。
「へ?」
「おかえりなさい、別に僕は構へんよ。お2人のラブラブを見せてくれても。」
そない言うてクスクスと笑う男の人の声がする。
「井上さん!?」
何故か悠真の家の廊下に井上さんが居る。
「悠真っ!」
他人はこの家には入れない約束。
「仕方がないやろ?井上は俺の弁護士やぞ?」
「うーっ…。」
そこは百歩譲って許すしかない。
今日の昼には仕事が終わった悠真が井上さんを呼んだらしい。
まずは萌奈さんが失くしたというイヤリングの確認をする為に、ほんまに2人で床に這いつくばって確認をしたと井上さんがゲラゲラと笑う。
「悠真、私って3年前にマンションの住民登録なんかしたっけ?」
「お前、このマンションのジムが使えるやろ?」
完全に呆れた顔を悠真がする。
「あっ!?そうか。」
そんな話をすっかり忘れてた。
そうやってイヤリングの確認と私の立場の確認を井上さんと悠真がしてる間に萌奈さんが現れた。