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振り向けば…
第47章 20年分の信頼…
安全マーク入りの作業服を着たガテン系姉ちゃんの私はひたすら開き直るしかない。
フンッと悠真からそっぽを向くとふわりと私の身体が宙に浮く。
「悠真!?」
荷物のように私を抱える悠真が居る。
「ひとまず風呂に入るぞ。」
ムードもへったくれもない悠真が私を脱衣場まで運んで行く。
「なんでやねん!?」
「仕事が終わったら、お前だけの相手をする約束やろ?さっさと、その作業服を脱げ。」
相変わらずストレートな悠真がさっさと自分の服を脱いで見事な全裸を私に晒す。
「1人で入る。」
「2人で入るんだよ。」
私の顔を持ち上げるとあっという間にキスをする。
あれほど嫌がったキスなのに…。
今は私の為だけにキスをする。
悠真の舌が私の唇をこじ開ける。
私の舌の裏をくすぐり上顎の裏をくすぐる。
「ふぁっ…。」
初めてキスをされた女みたいに腰が抜けそうになる。
久しぶりの深いキスに頭の中が真っ白な世界に変わっていく。
後は悠真の成すがまま…。
何度もキスを繰り返しながら私の服が脱がされる。
何故か悠真が私の髪を洗い出す。
これがやたらと気持ちええ…。
「来夢、意外とヤキモチ妬きか?」
そんな質問を悠真がする。
「そうらしい…。」
曖昧に返事をする。
自分でもわからない。
歴代の彼氏に振られた時も、まぁ、自分が悪いんやからで受け入れて来た私に嫉妬が存在する恋愛自体が初めての経験だ。
「そんな風には見えんかったけどな…。」
髪を洗いながら悠真も同じ事を言う。
20年…。
私を見て来た悠真ですら、そう思うのだから人生で2度目のストーカー事件はよほど私の心理に影響を及ぼす事件だったのだろうとか考える。