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振り向けば…
第47章 20年分の信頼…



「なんでや?」

「今回みたいに俺にはお前がキレた理由がわからんからな。この先もそういう事が起きる。お前はそれでも我慢とか出来るんか?」

「今回の事は悠真が何も言わへんかったからやろ。」

「俺が?」

「アシスタントが女の子やなんか聞いてなかったし、ましてや同棲してるとか思わんかったもん。」

「なら前もって連絡すればええんか?」

「ホウレンソウは社会の常識。」

「前もって言うて、それでも俺が萌奈と暮らす言うたらお前はどうしてた?」

「そりゃ、反対するやろ?」

「それでも俺には仕事で必要な事やからとお前の意見を蔑ろにした場合は?」

「キレる。」

「それが俺にはわからん部分なんや。お前をキレさせたくはないし、泣かす気もない。だけど仕事に必要やと判断すれば俺はそっちを優先する。」

「つまり仕事の方が私よりも優先って意味か?」

「仕事せな、お前に飯を食わしてやれなくなるやろ?俺は出来るだけの事はお前の為にしてやるつもりやけど、その結果がお前を泣かす事になる。」

「割り切れって意味?」

「普通の奴には無理な話やと思うとる。」


悠真が切ない顔をする。

その泣きそうで辛そうな顔にドキドキとかしてまうから目を逸らす。


「それでもお前が欲しくてお前と居たいと思うのは俺の我儘や。だからお前が嫌なら俺はこれ以上はお前には何もせえへんつもりや。」


悠真の手が私の身体を引き寄せる。

狡いよ…。

悠真の手が触れる部分が熱くなるのに、この先は私に選べと悠真が言う。


「ゆう…。」

「ん?」

「キスして…。」

「ん…。」


生返事でキスをする。

キスで止まらない男にキスを強請った以上は、それ以上をされても文句は言えない。


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