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振り向けば…
第49章 ほどほどに…
誰が見てもイチャラブなカップル。
恥ずかしいくらいに悠真が私に過保護になる。
悠真は恥ずかしいとか感じない。
他人から向けられる視線などお構い無し。
「悠真ってば…。」
「ん?」
鈍い悠真が私の顔を覗き込む。
今にもキスしそうな距離…。
「恥ずかしいから…。」
「何が?」
人混みなのに平然と私の頭にキスを落とす。
だから私は必死に歩く。
早く目的のお店に行かなければTPOのない馬鹿ップル丸出しになってまう。
フライドチキン屋では運が良く5人待ち程度で予約が出来た。
「外国からの観光客が多いんだ。」
フライドチキン屋の周りは海外の団体観光客が群がってる感じがする。
「今や、この店は世界中にあるからな。そん中でも食べ放題の貴重な店はここだけって売りらしい。」
「そうなんか?」
「日本国内でも食べ放題は2箇所だけやぞ。」
「なら、いつ死んでもええように心置きなく食え。」
「俺は来夢を遺して死にません。」
悠真が穏やかな笑顔を見せる。
ほんの冗談だったのに…。
龍平おじさんみたいにはならないと悠真が言う。
悠真の異変の全てが龍平おじさんが亡くなった事から始まったから悠真はその部分だけはおじさんみたいにならないと必死に生きてる感じがする。
「約束やからな。」
この先は恋人として失敗をしても家族として居てやる覚悟が私にも必要だと思う。
悠真は悠真なりに必死になって私に愛情を向ける覚悟を決めたのだから私だけがのうのうと悠真に甘える訳にはいかない。
どんな形になっても一緒に生きて行く覚悟。
焦らない。
迷わない。
悠真と1歩づつ進む事だけを考える。