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振り向けば…
第49章 ほどほどに…



昼下がりの午後、フライドチキンを食べながら悠真をボケッと眺める私が居た。


「どんだけ!?」


既に10本目のフライドチキン…。

その他にもサイドメニューにあったパスタとカレー、ポテトなども平らげた悠真。

私は少量のパスタとチキンを3本だけ食べてサラダだけしかお代わりをしてない。


「死ぬ気で食えって来夢が言うたやんけ?」

「お前…、お腹が空かへんって絶対に嘘やろ?」

「あー…、そこは俺にもわからん。そもそも食欲と不眠症は因果関係がないからな。」

「なら、気持ちの問題だけか?」

「多分な。オカン飯やと食欲を失くすって俺の頭が思い込んでる可能性は否定せん。そんだけ不味いから致し方ないやろ。」

「おばちゃんに味噌カスやな。」

「けど、仕事とか何かに集中すると全く飯を食いたいとは思わんのも事実や。」

「甘い物は別腹か?」

「あれは俺の身体が本能で欲しがってるというのに近いらしい。」


悠真が通うてた病院でおばちゃんがご飯を食べたがらないのに甘い物だけは食べたがると話をした時にお医者さんからそういう説明があったらしい。

人は脳が疲れると糖分を求めて体内で無理矢理にでも糖を作り出す。

だから今流行りの糖質ダイエットは最低限の糖質を取らなかった場合は脳が無理矢理に糖を作り出す為に逆効果になるという。


「俺の場合は脳が休まる時間が極端に短いから身体が糖分を求めて甘党になったかもしれんな。」


結局は11本目のフライドチキンを平らげた悠真がケロリと私に言う。

どうやら食生活に関しては余り悠真の心配をしてやる必要はないらしい。

悠真の病気の事をとやかくは言わないつもりでも体調管理が気になるのは事実だ。


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