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振り向けば…
第49章 ほどほどに…
ただ好きなだけじゃ片思い。
だから私を抱いて確認すると悠真が言う。
それを私に拒否されたらすぐに振られたと考えてまうらしい…。
「悠真…、それは極端や。」
「わからんねんからしゃあないやんけ。」
私の感情や気持ちが理解出来ないからだと悠真が膨れっ面を見せて来る。
「そこはお互いの信頼ってやつやろ?」
「けど来夢かて俺と萌奈の関係を疑ったやんけ。要するに自分が見えない範囲やわからん範囲は人間は疑い自信を失くすって事や。」
「そこはお互いで話し合う事で信頼関係を深めるしかないやん。」
「ふーん…、なら実は俺が萌奈とは1回だけやった言うたらどうする?」
「はぁ!?」
「実はコンドームは萌奈用に新しく買うてて来夢にはバレんように処分した。」
悠真が淡々と話す。
手が震える。
ああ、まただ…。
息が上手く出来なくなる感覚が始まる。
「嘘や。落ち着け…。」
真顔になる悠真が私の手を握る。
「だって…。」
「そんな事実は絶対にない。だけど人間は疑い出したらキリがない。俺はお前がわからんから常にそこまで考えてまう。」
「そこまで疑うとどうなるの?」
「俺の家からお前を出せなくなる。お前に自由を与える余裕すらなくなる。」
「悠真…。」
「俺は多分、お前以上に嫉妬深いと思う。」
寂しく笑いながら悠真が俯いた。
やはり一度壊れた時計の修復は難しいのだろうか?
疑い出したらキリがない。
私は悠真が萌奈さんとは何もなかったという言葉にだけ縋りたい。
だけど…。
証拠隠滅の為にベッドを買い替えた?
悠真のくだらない言葉で私の不安が大きくなる。
悠真が嫉妬深い?
私を家から出せなくなると言う悠真は私に仕事を辞めさせたいのだろうか?
そうやって、あれこれと考えてまうから私は無言になっていく。