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振り向けば…
第49章 ほどほどに…



私が悠真の傍に居なければ悠真は私に振られたと感じて他の女を簡単に受け入れる。


「浮気はやだ。」

「だから、してない。するつもりもない。」


あくまでも私が嫌がるからしないだけで、そこに悠真の意思はない。

愛のない男の恋愛はお互いを身体で縛り付ける事しか出来ないのだろうか?

どうすれば悠真に愛情が育つ?


「悠真…、キスして…。」

「ん…。」


結局は身体で悠真を繋ぎ止めようとする。

お風呂から上がれば悠真はやっぱり至れり尽くせりを私にする。

私の気持ちがわかんないから…。

私を傷付けない為だけに必死になる。

お互いが怯えながらの恋愛。

1歩距離を縮めると1歩距離が空く。


「来夢…、あーん。」


リビングのソファーでは悠真がほとんど無理矢理に私にご飯を食べさせて来る。


「まだフライドチキンで胸焼けがする。」

「それでも少しは食え。また胸が無くなるぞ。」

「やかましい!」


じゃれ合う時だけは不安が薄れる。


「そろそろ寝るか?」


そない言うくせに私の腰からお尻のラインに向けて悠真の手が撫でてる。


「明日の朝…、早いからな。」


一応は悠真に釘を刺す。

和歌山に旅行すると悠真が決めた。

朝は早めに出てサファリパークで遊んでから温泉に行き、翌日は世界遺産の滝を見る約束。


「わかっとる。」


悠真が笑いながら私を仕事部屋に連れて行く。

ベッドが来るまではここの布団で寝るしかない。


「狭くない?」

「俺は大して寝ないから大丈夫。」

「寝てよ…。」

「わかっとる。」


ひたすらキスを繰り返す。

深いキス…。

口の中で悠真の舌と私の舌がずっと絡み合う。


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