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振り向けば…
第50章 寝るな…
サファリはオプション付きの特別コースを選んだ。
サイに触れたり、ライオンに餌やりが出来る専用ガイド付きのオプション…。
昔、お父さん達とも来た事があるサファリだから当然、悠真とは2度目の経験になる。
その後はランチを食べてからシャチやイルカのショーを観る。
ずっと黙ったままの悠真に不安になる。
「悠真?」
「ん?」
「なんか怒ってる?」
「いや…、お前の質問が難しくて悩んでるだけや。」
「別に難しくないやん。」
「難しいやろ?絶滅するって状況なんか誰も体験した事のない状況やぞ。」
「真面目に考えんでも想像してみろや。」
「想像しても実感が湧かん。」
それが悠真の感情の幅の狭さだと思う。
「それよか、何故にわざわざ官能を選んだ?」
悠真が不思議そうに聞いて来る。
何故にと聞かれても…。
ただ掘り下げてみたかった。
本来、書いてた想像の世界には官能の要素は全く無いものばかり。
そこに恋愛という要素を入れてみた。
自分が経験した事。
自分が本当にやりたかった恋愛…。
自分が愛されてる実感をイメージして描くには普通の小説では無理だと判断しただけで、官能を書こうという姿勢で始めた訳じゃない。
それを悠真に説明する。
「来夢は愛されてないか?」
「愛されてると思いたい。」
2人して自信を失くすのが嫌だ。
しかし、それを口にすれば悠真が私から離れようとするから私は口を噤む。
悠真だって努力をしてる。
その愛情表現が激甘でありSEXになる。
それ以上の愛情を示して欲しいと私が願ったとしても悠真には理解が出来ずに戸惑うだけになる。
そもそも、それ以上の愛情表現とはどんなもの?
それが知りたくて官能の世界を垣間見る事にした。