この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
振り向けば…
第6章 俺だけ見てろ…
久しぶりに悠真をからかってやろう。
そんな軽い気持ちで悠真の家に向かう。
うちから歩いて5分のアパート。
鍵は持ってる。
小学校の時に渡されたままで、まだ悠真に返していない。
だって悠真もうちの鍵を持ったままだから…。
アパートの前に悠真の自転車がある。
帰って来てる。
悠真の家のドアノブを握ると鍵は開いてる。
「悠真…、あのさぁ…。」
そう言うて久しぶりの悠真の家の扉を開いた。
小学校以来だった。
その後は悠真が私の部屋に来るから悠真の家に行く事はなかった。
「きゃっ!」
「うげっ!?」
そんな悲鳴が上がる。
玄関から見える和室。
女の子が寝転がってる上に四つん這いの悠真が乗ってる。
しかも女の子の胸元が肌蹴てる。
さすがに不味い場面に出くわしたと思う。
「ごめん!」
そう言うて踵を返して玄関から出ようとした。
「来夢!」
そう叫んで悠真が駆け寄って来るとすぐに私の腕を掴む。
「なんかあったんか?」
「なんもない…。」
「ほな、何しに来た?」
「えーっと…、忘れたわ。」
「なんでやねん!?」
「あまりにびっくりして忘れたんや!」
「まぁ、久しぶりやし、上がれや。」
悠真が私を家の中へと引っ張る。
女の子は乱れた胸元をもう直してた。
「森本さん?久しぶり…。」
気不味い顔で女の子が言う。
つけまつ毛バリバリの唇が真っ赤な女の子。
誰やろう…?
その子の顔をしげしげと見る。
「内海さん…?」
ケバケバになった元学校No.1の美少女に唖然とした。
すっぴんの方が美人やったのに…。
そう言いたくなるほどの化粧をした内海さんに違和感しか感じなかった。