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振り向けば…
第51章 有り得ない…



翌日、待望のベッドが到着する。


「試そうか?」


悠真が私をそのベッドに押し倒す。


「ダメッ!」

「なんでやねん?」

「おばちゃんが帰って来る。」

「見せつけたらええやんけ。」

「絶対にダメッ!」


私の拒否に悠真がいじけた。


「お昼ご飯はどうする?」

「なんでもええ…。」


ふてくされて生返事。

子供か!?お前は!?

こっちがそう叫びたくなる。

お昼ご飯をふてくされたままの悠真と食べ終わる頃におばちゃんが帰って来た。


「来夢ちゃん…。」


悠真に怒られたおばちゃんが私を見て気不味い表情を浮かべる。


「おかえりなさい。藤井さんは?」

「うん…、もう神戸に帰ったわ。」


普通に話す私におばちゃんがホッとした顔をする。


「てか、悠真。アンタ、向こうに行け。」


何故かおばちゃんがリビングのソファーでいじけてる悠真を追い払う。


「なんでやねん?」

「来夢ちゃんと大事な話があるからや。」

「なら、俺が居てもええやんけ?」

「女同士の話やからアンタは邪魔なんや!」


おばちゃんに蹴飛ばされてますます不機嫌になる悠真が仕事部屋に向かう。


「とりあえず、これ来夢ちゃんにお土産な。」


大事な話があるとか言いながら、おばちゃんは私にブランドの小さな紙袋を渡して来る。


「わぁ、ありがとうー。」


素直に喜んだ私だったが紙袋の中身を取り出して完全に固まった。


「おばちゃん!?これはあかんやろ!?」


せっかくのお土産に叫ぶ事になる。

明らかに高級時計…。

軽く100万はするとお洒落をしない私にでも理解が出来る高級有名ブランドの時計を幾らおばちゃんからでも簡単に貰う訳にはいかない。


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