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振り向けば…
第51章 有り得ない…
ここは藤井さんを信用して管理委託をするべきだと判断する。
「ええよ、近々、藤井さんと食事にでも行って管理内容を決めようよ。」
私がそう答えるとおばちゃんが安心した顔を見せる。
悠真が私を選んだのなら私が藤井さんと接する事で否が応でも悠真も藤井さんと接する事になるからだ。
「ありがとうな。」
おばちゃんがはにかんで笑った。
豪快で男勝りなおばちゃんでも恋する人には可愛くなるのだと思う。
とにかくおばちゃんとの話が終われば仕事部屋でいじけてる悠真のところへ向かう。
「見て見て、凄い時計やろ?」
藤井さんのお土産である時計を悠真に見せびらかす。
「どないしてん?」
さすがの悠真も目を丸くする。
「おばちゃんと藤井さんからのお土産!」
「その程度なら俺が買うたる。」
まだ拗ねてる悠真が口を尖らせる。
「その代わりにな、あのアパートの管理委託を藤井さんの会社にお願いするねん。」
「管理を?」
「うん…、だから近いうちに藤井さんと食事に行くから必ず悠真も来てや。」
「俺が?」
「悠真も管理人やったやろ?おじいちゃんのやり方を知ってるのは悠真だけやん。管理委託するって事は契約するんやから私が損する形になると困る。」
「なら、ついてったる。」
「頼んだぞ。」
偉そうであっても私が頼めば悠真がご機嫌になる。
私が悠真を頼りにしてると感じるだけで悠真には嬉しい事らしい。
「今日の飯はまさかのオカン飯か?」
「私が作るから買い物に行くわ。」
「買い物は一緒に行ったる。だから来夢、今日までは泊まっていけよ。」
明日から私は仕事…。
いつもなら自分の部屋に帰るけど新しいベッドを買わせたばかりで私が帰ると言えば、また悠真がいじけてまう。