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振り向けば…
第51章 有り得ない…
おばちゃんが他の人と再婚する事になっても、この親子はずっと離れる事がないのだと感じる。
「お先にお風呂するわ。」
夕食の後片付けをする私と悠真に気を使うようにおばちゃんがお風呂に入る。
「やっぱり食洗機買うか?」
「悠真がちゃんと濯いでくれたらええだけや。」
「真面目にやらせて頂きます。」
仕事がない時は私の手伝いはすると約束した以上、悠真は必ず自分の言葉を守る。
それは龍平おじさんが悠真に教えた事らしい。
『男は出来へん事は言うたらあかん。言うた以上は絶対にそれが出来る男になれ。』
龍平おじさんは何度も悠真にそれを言うたらしく、悠真はその言葉だけを覚えてる。
「それ、うちのお父さんも言うてたわ。私は言われた事ないけど、来人にはよく言うてた。」
「なら、オッチャンがオリジナルやな。」
「そうなんかな?」
「オカンがヤキモチ妬くくらいオトンはオッチャンにベタ惚れやったらしいからな。」
今は私が悠真にベタ惚れだ。
そう考えると、なんとなく照れくさくて俯いた。
「来夢も風呂に入って来いや。」
穏やかな声が私の頬を掠めるようにして聞こえる。
さすがにおばちゃんに見られたらどうしようと私だけがアタフタする。
「お風呂して来る。」
悠真から逃げるようにお風呂に飛び込んでた。
アイツ…。
おばちゃんの前でも恥ずかしいとかいう感覚がほとんどないんや。
私1人が馬鹿みたいに顔を火照らせて、この暮らしにドキドキする。
やっぱり、おばちゃんがまだこの家に居る間は泊まるとか止めよかな?
そんな事まで考える私なのに、この後の悠真は鬼で悪魔だと思う悠真に変貌した。