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振り向けば…
第52章 無事だよ…
嬉しいのは私の部屋が広くなった事。
前は六畳の押入れという部屋にベッドやタンス本棚に勉強机と押し込んでた部屋だった。
今回は八畳になり私の希望としてウォークインクローゼットを設置して貰えた。
お陰でタンスと本棚の必要はなくなり、巨大な勉強机はシンプルなパソコンデスクに変貌する。
しかも…。
「悠真、ありがとう。」
「何が?」
「テレビ!」
「ああ…、俺も使うし…。」
余った空間が広くなったからとブルーレイ搭載テレビを悠真が買うてくれた。
テレビの前には小さなテーブルと2人用のラブチェアー…。
テーブルは冬場は炬燵に出来る最強のアイテム。
一人暮らしの時に使ってた小さな冷蔵庫も設置したから至れり尽くせりの自分の部屋。
その全部を悠真が揃えてくれた。
「だから…、薄情なお前の事やからまた俺ん家に来なくなるやろ?」
悠真が私を睨んで来る。
至れり尽くせりが我が家にあると私が動かなくなると悠真が不機嫌な訳です。
「ほな…、悠真が来ればええやん?」
「だったら来夢のベッドをキングサイズに替えてええんやな?」
「それはやだ…、部屋が狭くなる。」
「なら…、やっぱりお前が俺ん家に来い!」
ドタバタと喧嘩をしながらもなんとか引っ越しを進めていく。
「悠真君もご飯を食べて行くやろ?」
お母さんの声がする。
「悠真も食べてくー!」
普通に叫ぶ私に悠真が緊張した顔をする。
私の頭を撫で私の頬にキスをしながら悠真が
「オッチャンと話をして来るわ。」
と呟いた。
その後は私にはわからない。
悠真がお父さんとコンビニに行ったとだけお母さんからは聞いた。
「なぁ、来夢?」
お母さんの台所の片付けを手伝いながら話をする。