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振り向けば…
第52章 無事だよ…



余震に対する警戒もある。

どこまでを自分で判断するべきかすらわからなくなって来るから混乱する。


「明日の午前中にもう一度連絡を下さい。」


会社にではなく、私の直通である携帯の番号を知らせてから電話を切る。

岩谷さんが会社の扉を開けて私を待っててくれる。


「僕の車を使いますか?」

「ううん…、私のを使う。私のなら軽だから…。」


軽なら小回りが利く。

燃費の問題もある。

この先の混乱を考えると普通にガソリンスタンドに入れる自信もない。


「最悪ですね…。」


私の車に乗り込む岩谷さんが呟く。

出来るだけ早く岩谷さんを家に帰してあげよう。

そう思いながら、いつものようにホルダーに携帯をセットしながらシートベルトを装着する。

携帯のメーッセージマークに初めて気付いた。


(悠真…。)


それは悠真からのメッセージ…。


『無事か?』


たった、それだけのメッセージ。

それだけで悠真はとりあえず無事なのだと感じる。

悠真に私の無事を伝えなければ…。


『無事だよ…。』


メッセージを返信した。

いつもならすぐに届くメッセージなのに…。

携帯に表示されるのはエラーの表示ばかり。

何度やってもエラーになる。


「そんな…。」


泣きたくなった。


「もう回線パンクが始まったんですか?」


岩谷さんも眉を顰めて聞いて来る。

もう唯ちゃんには連絡が出来ない。

もう悠真とは連絡が取れない。

段々とパニックになる私の肩を岩谷さんが叩く。


「大丈夫です。やるべき事をやって帰りましょう。」


ずっと私に大丈夫だと繰り返す岩谷さんの言葉で私のパニックが回避されて落ち着いて来る。

岩谷さんが居てくれて良かったと思う。


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