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振り向けば…
第53章 この家族…



「でも、うちもアパートも被害はなかったんやろ?」


リビングのソファーでいつものようにタバコを吸うお父さんと私のご飯を笑顔で出してくれるお母さん、それに膨れっ面だけど悠真が目の前に居る。


「あー…、来夢だけ被害があったかもな。」


お父さんが茶化すように私に言う。


「来夢だけだな。」


悠真までもがニヤニヤとする。


「私だけって何よ?」


2人の言葉に不安になる。

買うて貰うたばかりのテレビ?

パソコン台に置いてたパソコン?

私の部屋にだけ何かが起きたのかとドキドキする。

窓ガラスが割れたとか?

来人の部屋は普通の出窓だけにしたけど私の部屋は光彩を多く取りたくてベランダを設置して貰うた。

他には何…。

悩む私に悠真が


「来夢の被害は冷蔵庫に入れてあるから…。」


とか言うて来る。


「はぁ?」

「まぁ、冷蔵庫を見ればわかる。」


悠真もお父さんもそれしか言わない。

お母さんがクスクスと笑う。

なんなんだ。

この家族…。

仕事で疲れてる私に笑う余裕はない。

ひとまずダイニングテーブルの向こうに見える冷蔵庫を開けてみる。

観音開きの2ドア冷蔵庫…。

新しくお父さんがお母さんの為に買い替えたばかりの真っ新な冷蔵庫…。

その扉を開き


「ゔっ…。」


と声にならない悲鳴を出す。

リビングからはゲラゲラと豪快に笑うお父さんの声がする。


「いや…、俺も初めて見たわ。」


悠真が苦笑いを私に向ける。

私だって初めて見たわい!

そう叫びたくなる。


「卵とか無事だったのに凄いわよねぇ。」


お母さんが感心したように呟く。

いや…、これって被害って言うんか?

私に起きた唯一の被害を面白がる家族が笑う。


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