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振り向けば…
第54章 七夕だから…



お父さんが少し寂しそうに私を見る。


「悠真に寂しい思いはさせたるなよ。」


お父さんが呟いた。

寂しさで普通の人の感覚を失った悠真。

その原点を忘れるなとお父さんが私に釘を刺す。


「うん…。」


今夜は悠真の家に行ってやらなければと思う。

七夕だから…。

僅かでも会えれば大丈夫。

仕事を済ませると、そのまま悠真の家に向かった。

悠真の家の中が真っ暗だった。

まさか居ない?

連絡をしてから来れば良かった?

そう思いながらリビングに続く扉を開ける。

ソファーに人影が見えた。


「悠真?」


その人影に声を掛ける。


「んー…?」


いつもの生返事が返って来る。

真っ暗なリビングで悠真がソファーに寝転がったままぼんやりと天井を眺めてる。

前にも見た光景。

あの時は確か仕事のスランプで仕事を辞めたいとか悠真がほざいてたなとか思うと笑うてまう。

リビングの電気を点けて悠真の傍に行く。

床に座り、悠真がお腹に乗せてる手に私の手を重ねてやる。


「明日は休みやねん。」

「そうか…。」


気のない返事が返って来る。

私が寂しい思いをさせたから?

ほんの少しでも寂しいと感じるだけで悠真は私に冷めてまう?

今まではお互いが割り切ってた関係だった。

今は悠真が私の事を考えるという関係に変化した。

ギブアンドテイクの男には私も悠真を一番に優先する事を考えなければギブアンドテイクが成り立たないのだろうか?

生返事をして私を見ない悠真に不安になる。


「なぁ、悠真?なんかあったんか?」


ただの仕事のスランプだと答えて欲しかった。

それなら私は笑うて悠真を蹴飛ばすだけだ。


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