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振り向けば…
第56章 仕事やから…
「なんやもへったくれもないやろ?お前らが2人でこの先は結婚するて決めたから悠真がうちに来たんとちゃうんかい?」
「決めたもなんも…。」
悠真は私に仕事を辞めろ言うたまま先には進んでない話のはず…。
少なくとも私の方の見解をお父さんに説明する。
「ほな、来夢は結婚をしたくないんか?」
お父さんの質問を受けて子供のように口篭る。
「そりゃ、したいよ。でも悠真が仕事する私は嫌やとか言うんやもん…。」
グチグチと言い訳めいた自分の気持ちを話す。
悠真が嫌や言うたんやん。
20年変わらないのは悠真が悪いんやという形で私がお父さんに言い訳をする姿だけだ。
「お前ら、ほんまに相変わらずやのう。」
不機嫌だったお父さんが呆れた顔へと変わってく。
「だって…。」
「まぁ、ええわ。今日ん所は俺も悠真にはまだ結婚は認めん言うて追い返したし、お前は悠真のところに行って来い。あの悠真の事やからアホほど落ち込んどるはずやぞ。」
「お父さん!?」
私よりも悠真を理解してるお父さん。
そのお父さんが悠真が凹むとわかってて私との結婚を認めなかった。
いや、なんでお父さんが結婚を反対なのかがわからんから私は慌ててお父さんに叫んでまう。
「お父さんは結婚に反対なんか!?」
それだけはないだろうと高を括ってた私には驚きしか出て来ない。
「当たり前じゃ、ペットじゃあるまいし…。娘をくれとか言われて簡単にやる訳ないやろが。」
お父さんが再び顰めっ面へと変化する。
「でも…、悠真なんやで!?」
「尚更や。お前ら、寄ると触ると喧嘩してお互いでそっぽ向くくせに結婚の意味を舐めとるんか?結婚した後はおいそれと離婚なんか出来んのやぞ。」
一番、痛いところをお父さんに突かれた気がした。