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振り向けば…
第56章 仕事やから…
それはお互いが信用をしていながら本当の意味では信用が出来ずに不安に負けてるからだ。
不安に負ければ結婚生活なんかすぐに崩れて離婚に走るだけになる。
「だから、この先はちゃんと2人の気持ちが固まってなあかんねん。」
悠真の目を見て説明をする。
「俺は来夢を信用してんぞ?」
やっぱり人の感情などのあやふやな部分が理解出来ない悠真は表面的な信用の話をする。
私になら財布を預ける事が出来る。
私にならこの家の鍵を渡す事が出来る。
そんな表面上の信用ならあるのにお父さんに認めて貰えなかったと悠真が戸惑いを私に見せる。
上半身を起こし私を抱っこし直してから私の小さな胸に顔を埋める。
悠真が状況などを理解出来ずに不安な時はやたらと私にまとわりつく。
「今日は来夢は泊まれるんか?」
私を疑うように聞いて来る。
恋愛としての、こういう部分がお互いの信頼関係の薄い部分だと感じる。
さて、どうするか?
明日も私は仕事だ。
しかも例の崩れた壁の撤去作業の手配などがあって何かと忙しい。
「ちゃんと寝かせてくれるならな。」
ひとまず悠真に釘を刺す。
「任せとけ…。」
そない言いながらも悠真が私の顔中にキスをして服の上から胸を揉んで来る。
「お前っ!全然わかってないやろ!?」
「大丈夫です…。僕、物覚えだけは自信があります。」
こんな風にふざけてる場合じゃない。
「とりあえずご飯が先やわ。悪いけど私はお昼すら食べてない。」
「俺も朝に来夢が作ってった飯を食うただけやな。」
私が置いてった朝ご飯はちゃんと食べてくれたと言う悠真にホッとする。
「朝ご飯…、食べたんや。」
「卵焼きやったからな。」
私の朝ご飯を食べたら、やっぱり私と結婚をしたいと思ったらしい。