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振り向けば…
第57章 主婦って…
私と悠真の結婚をわざと反対して楽しんでるようなお父さんに苛立ちを感じる。
「わかっとるくせに…、悠真と結婚する事をちゃんと両方の親に報告するって悠真と決めたんや。」
私と悠真がちゃんと筋を通せばお父さんも反対はしないはずだと思うてた。
ましてや、おばちゃんや藤井さんまで呼べば面白半分で反対は出来ないはず。
「だから…、お父さん。」
「わかったわかった。行ったるがな。」
一応は私と悠真の呼び出しに応じてくれた。
どこかおふざけを感じるお父さん…。
ただ単なるおふざけなら今度は大丈夫だろうと甘く考えてた。
その週末には悠真が緊張した顔をする。
「大丈夫やって、いつものお父さんの悪ふざけやと思うから考え過ぎたらあかんて。」
そない言うて悠真の背中を思いっきり引張叩く。
うちのお父さんは子供な部分がある。
いや、大人気ないと言うべきか?
とにかく昔から悪ふざけが酷い人だ。
悠真かて、そのくらいはわかっとるはずだから今更の尻込みは許さない。
「悪ふざけならええけどな…。」
仕事をする時のように真面目な顔で悠真が呟いた。
お父さんからの反対を私よりも重く受け止めてる悠真だから、これ以上の反対は止めて欲しい。
いつもよりも真剣な目付きの悠真に私だけがふてくされる。
プロポーズの時はええ加減やったくせに…。
お父さんの前では大人の顔に変わる悠真に膨れっ面をしてまう。
「お前までが不機嫌とか止めてくれよ。」
待ち合わせのお寿司屋の前で悠真が苦笑いをして私の頭を撫でて来る。
私と悠真は待ち合わせの30分前に来てる。
今日は仕事が休みだから夕べから悠真と居る。