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振り向けば…
第57章 主婦って…



先にも言うたが、うちのお父さんは大人気ない。

負けず嫌いのお父さん。

トランプでも将棋でも、何でもお父さんからけしかけて来て私達が勝たせて貰えた記憶はまず皆無だ。


「50過ぎた病人に、この程度の力比べで勝たれへん男に娘はやれんなぁ。」


迷う悠真にお父さんがひたすら挑発を繰り返す。

誰が病人やねん!

お父さんを睨みつける。

確かに5回もの手術で昔に比べれば随分とお父さんは痩せたとは思う。

それでもガテン系は伊達じゃない。

悠真よりも太い腕。

私の倍はある。

その、お父さんに悠真が黙って腕を出す。

お母さんは苦笑いをしたまま、おばちゃんはゲラゲラと笑い出す。


「大ちゃん、手加減無しやで…。」


おばちゃんの言葉に藤井さんが目を見開く。

まさか、おばちゃんまで反対なんか?

お父さんが反対する理由が悪ふざけレベルじゃないと悟り私の考えが甘かったと自己嫌悪する。

勝負は一瞬で終わった。

腕を組んだ瞬間に悠真はあっけなく負けた。


「まだまだやな。」


ニヤリとお父さんだけがご機嫌の笑顔を浮かべる。


「お父さん!なんでよ!?」


発狂してまう。

腕相撲なんかで私の結婚を決めるとか冗談じゃないと思う。


「奈美!今日は来夢と悠真の奢りやから飲むぞ。」


お父さんは私の叫びを無視しておばちゃんとビールで乾杯をして飲み出した。

来人は全く表情を変えずにお寿司を食べるだけ食べたら


「んじゃ、俺は帰るから…。」


と言うてお寿司屋から出て行く。

藤井さんだけが信じられないという表情をするものの、おばちゃんが差し出すビールをちびちびと飲む。

悠真はずっと俯いたままだった。


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