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振り向けば…
第57章 主婦って…



「お母さん…。」


今の私は唯一、お父さんの考えが理解出来るお母さんに縋るしかない。

お母さんはずっと苦笑いをしたままで私を見て肩を竦めただけだった。


「お父さんは何が気に入らんのよ?」

「それは、お母さんにもわからんわ。」

「お母さん!?」


お母さんにまで、とぼけられたら洒落にならない。


「ただね…、お父さんもお母さんの実家には散々反対をされたんよ。」


懐かしそうにお母さんが話をする。


「静岡の?」


私の言葉にお母さんがはにかんだ。

お母さんとお父さんは同じ中学からの付き合いで高校の時にお父さんからお母さんに告白をした。

その頃はまだお母さんの実家はうちの近所にあった。

現在はお母さんの兄夫婦と暮らす為に大阪の家を処分して静岡に行ってしまった祖父母。

私自身、数年に一度会うか会わないかの祖父母だからお母さん側からの話を聞いた事がない。

お父さん側からの話では高校を辞めて3年以上もぼーそーしてたお父さんにお母さんが


『働くつもりがないなら別れます。』


と言うた為にお父さんは慌てて会社を作って土下座したとしか聞いてない。


「会社を作って1年目くらいに、いきなりお父さんがお母さんの家に来たんよ。」


お母さんが照れた顔をする。

プロポーズすらしなかったお父さん。

いきなりやって来て『娘さんを下さい。』をやったらしい。


「当然、反対はされるよね。1年前までぼーそーしてた人なんやから。」


お母さんが思い出し笑いをする。


「だから、お父さんが土下座したんか?」

「認めて貰えるまでのひと月の間、毎日毎日お父さんはお母さんの家に来てたんよ。」


仕事帰りの泥まみれなお父さんが毎日お母さんの家に通い続けた。


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