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振り向けば…
第59章 サイズがな…



「オカンに言われんでもわかっとる。」


おばちゃんから子供扱いを受けた悠真がおばちゃんに拗ねた顔を向ける。


「ほんまにわかっとんのか?」

「クソババアは俺の事よりも藤井さんの事だけ考えてろ。」

「大きなお世話や。クソガキ。」


いつもの親子喧嘩だと私もお父さんも笑うしかない。

まだこの親子喧嘩に慣れてない藤井さんだけがオロオロとする。


「おばちゃんの結婚式もハワイで一緒にやろか?」


私の提案におばちゃんが豪快に笑う。


「邦弘さんがええなら、そないするわ。」


おばちゃんの言葉にNOとは言えない藤井さん。

その後は私と悠真の祝いだと言いながらもお父さんとおばちゃんが朝まで飲む勢いでお寿司とビールの注文し始める。

来人は相変わらず私と悠真の事など、どうでもええかのように夕食を済ませたら帰ってまう。


「悠真…、逃げるぞ。」

「ええんか?」

「私は明日も仕事や。」

「了解…。」


自分達の親から逃げ出す生活も相変わらず。

1つだけ変わった事は…。


「病院に行って来る。」


そない言うて悠真が病院に行くようになった。

不眠治療を受ける為だ。

まだ医者の卵である来人に今のままなら早死にすると脅されたらしい。

悠真の治療というても大した事じゃない。

まずは普通に睡眠を取り、2時間で目覚めた後は睡眠導入剤で追加の睡眠を増やすというだけの治療。

根本治療を嫌がる悠真は不眠症の理由を病院には言わなかった。

それでも悠真の睡眠時間が増えるのなら何でもええと私は笑う。


「そのうちやけど身体が2時間以上寝る事に慣れたら睡眠導入剤の必要もなくなるらしいぞ。」


私が笑うから悠真も笑う。


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