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振り向けば…
第59章 サイズがな…
ミニスカートのような短さで全く意味を感じないパレオに更にため息が出た。
実用という言葉を学べ!
見た事すらない水着のデザイナーに悪態をつく。
タオルで胸元を隠して悠真が待つベッドルームに向かうと悠真がやたら広いベッドに水着で座ってる。
その悠真の前に立つ。
「これでええんやろ?」
悠真が私の腰を引き寄せる。
「修学旅行では来夢…、全く水着を見せてくれへんかったからな。」
ニヤリと悠真が笑う。
「だって…。」
悠真は他の女の子に囲まれてた修学旅行…。
1つだけ驚いたのはカヌーの観光と言うてた悠真がサイクリングのチームに来てた事。
「陽斗や駿とは始めっから観光はサイクリングって決めてたんや。どうせ来夢は泳がれへんからサイクリングやと思うてたし。ただ女子がうるさいからギリギリまでカヌーの観光て言うてただけ。」
いたずらっ子のように悠真が舌をぺろりと出す。
「悠真…、酷っ…。」
悠真がカヌーだと聞いた美保も確かカヌーを申し込んでた覚えがある。
「酷いのはお前の方やろ?散々、俺の事を避けてたくせに…。」
私を睨みつける悠真。
その通り…。
人気のなかったサイクリングはカヌーから溢れた人ばかりで仲の良い人が居なかったからと私は単独行動を決めた。
なのに、いざ自転車で走り出すと何故か悠真達がついて来る。
悠真と居る事でカヌーグループから後であれこれ言われるのが嫌だと私は悠真から逃げ回る。
そのお陰でやたら自転車で走り回った割には全く観光が出来なかった。
「チャリンコで島をぼーそーした女。」
悠真がクスクスと笑う。
「うるさい!」
「まあええわ。修学旅行で出来んかった事は今からやればええだけや。」
「今から?」
「長野も広島も…、やれなかった事があるやろ?」
長野は中学校の修学旅行…。
広島は小学校の修学旅行…。
それをこの先の人生で私と一緒にやり直そうと悠真が言う。