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振り向けば…
第7章 いつか連れてったる…
「そう言えば悠真、学校でチョコレートは山ほど貰ろたやろ?」
山積みにしてあった先輩のチョコレートを思い出す。
「そんなに貰ろてへん。半分くらいは要らんて言うて断ったからな。」
「へっ?なんで?」
「本命とか言う子のは断ったから…。」
「女が欲しいんやろ?」
「チッチッチッ…、俺は女とやりたいのであって彼女が欲しいのではないぞ。」
立てた人差し指を振りながら偉そうに言う悠真に呆れてまう。
「アホやろ?」
「なんでやねん?切実な問題やぞ!彼女が出来た時にまだ童貞?とか言われたらショックで死ぬ。」
「死ね…。」
「うわっ…、来夢って冷たい。」
「変態には冷たいよ。」
「来夢さんの前では出来るだけ自重します。」
絶対に嘘だと思う。
この後も様々な変態ぶりを悠真は見せて来た。
だけど悠真が居ると暇を感じない。
不思議と寝る時間まで当たり前のように悠真と居る。
「また明日…、学校でな…。」
「また明日…。」
そんな言葉を交わすのに学校ではほとんど私とは話さずに見せつけるようにチャラい系の女子とばかり話をしている悠真を眺める。
「俺の顔になんか付いてるか?」
不意打ちで悠真に言われてアタフタする。
「もしかして、カッコええから見とれてた?」
「アホっぷりを見てただけや。」
「そうやな。来夢の彼氏はあの溝口先輩やもんな。」
嫌味なのか?
褒めてるのか?
一部の女子は悠真の方がカッコいいとか言う。
溝口先輩は目付きが鋭くてちょっと怖いらしい。
その分、悠真はアホを出すから親しみ易いと誰もが悠真を一押しする。