この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
振り向けば…
第8章 お前と同じ大学…
悠真がゆっくりと私達の方に向かって来る。
「やばっ!モノホン!」
先輩達がゲラゲラと笑う。
先生がやって来た。
「今田ぁ…、その服、さっさと脱げぇ。学校の品位が疑われる。」
笑いながら先生が注意する。
「着替えに行くぞ。」
悠真が私の手を握って校舎に向かう。
途中で色々な生徒に特攻服を見せて欲しいと悠真が何度も呼び止められる。
お陰で着替えは私と悠真が最後…。
ガランとした更衣室代わりの教室で1人で着替える事に躊躇ってまう。
「一緒に着替えたろか?」
悠真がニヤニヤとしやがる。
「来るな!見んな!」
「廊下…、俺が見張っといたるから、さっさと着替えろよ。」
一応、悠真を信用して着替えをする。
次の競技があるからポニーテールはそのままで急いで着替えたのに…。
「ぶっ!?」
悠真が吹き出して私を笑う。
「なんやねん!?」
「幼稚園の子みたいや。」
「やかましい!次の競技があるねん。」
「行って来い。」
私の背中を悠真が押す。
振り返ると『喧嘩上等』の文字だけが見える。
悠真ももう私に背中を向けている。
お互いが背中を向けて離れて行く。
体育祭は応援合戦も総合も紫組の優勝で終わり、悠真はMVPの表彰を受けた。
体育祭が終わり部活も引退する。
推薦で大学進学が確定した私達は卒業までをのんびりとする。
悠真は相変わらずのアホをやる。
「美奈子(みなこ)のパンツは青のストライプ!」
階段の下に寝転がって女子のスカートの中を覗く。
その後は女子に追いかけ回された挙げ句に
「今田ぁっ!指導室に来い!」
と言うた先生に怒られる。