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振り向けば…
第8章 お前と同じ大学…
恥ずかしくて私に言えない美保はお昼抜きを覚悟した時だった。
「たまには奢ったるわ。」
そう言って悠真が美保を学食に連れて行く。
「好きなもん頼め。」
笑いながら悠真がジュースまで用意をしてくれたと美保が言う。
「なんで奢ってくれるの?」
「テニスの時に見せてくれるパンチラのお礼。」
アホを言う悠真が美保に笑顔だけを見せた。
翌日に美保がお金を返すと悠真に言うと
「俺が美保に奢るって言うたんや。男に恥をかかせんなよ。」
と拒否する悠真。
「だって…。」
「美人に奢れるって男冥利やぞ。」
やっぱり悠真が美保に笑顔を見せる。
そんな悠真に美保が惹かれたと言う。
「よくわからんけど…、悠真はカッコええよ。」
そう言うて美保が俯いた。
悠真の考え方はうちのお父さんや龍平おじさんの考え方だと思う。
免疫のある私にはそれは当たり前で美保にはカッコいいと感じてまう。
困った人が居たら、自分が苦しくても助けてやれ。
そう言われて私も悠真も育って来た。
それでも美保を振るとは悠真には呆れてまう。
「アホや。アイツ…。」
「応援団…、悠真と踊りたかったな。」
インターハイ出場で悠真と踊れなかった美保…。
悠真との思い出が欲しいのだと感じる。
「美保…、料理は出来る?」
「少しなら…。」
「悠真にお弁当を作ったり、好物は卵焼きとハンバーグ…、冷凍食品は嫌い。トマトも苦手…。」
「なんでお弁当なん?」
「お弁当ならアイツは受け取るよ。」
「やってみる。」
あくまでもお礼のお弁当なら悠真は受け取る。
悠真の好みを出来るだけ美保に教えてあげる。
「ありがとうな。」
ヤケ食いを終えた美保が帰る。
私は美保を見送ってから悠真の家に向かった。