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ありがとうを君に…
第4章 孤独
仕事の日も、休みの日も実家…
夫婦の生活スタイルは、実家に行く事
ばかりになっていた
恋人ではない、夫婦になったのだからと
自分で自分に言い聞かせ、嫌な顔をせず
ただ実家へ行く日々が続いた
仕事中は、誠一が外回りをして、会社に
いない時を狙って両親二人が私の所へ
来ては…
「誠一に、もっとしっかりするように
仁実さん、あなたからちゃんと言って
ちょうだい」
「私達が若い頃は必死だったよ…自分で
バイトして学校に行って、遊んだりする
時間なんてなかったんだから」
と、言ってくる
何が言いたいのか、全くわからなかった
だから、私に何を言わせたいのか?
誠一に何を言えばいいのか?
そんな所に誠一が入ってきても、二人は
何もなかったように
「あら、お帰りなさい」
と、声を掛けるだけ
えっ?二人から何か言わないの?
さっき言った事、本人に言わないの?
私が言わなきゃいけないの?
どうしよう…どうしたらいいんだろう