この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ありがとうを君に…
第6章 不調
どれだけの時間がたったのだろう
目が覚めても、私はまだ夢の中にいるような…
そんな気分だった
いったいここは何処?…
診察室とは全然違い、ベッドとテーブル
そして、テレビもある…まるでホテルのようだ
ガチャ…
誠一が携帯を握り部屋に入ってきた
「あっ、仁実…気が付いた?」
「誠一…ここって、どこ?」
「病院の個室だよ…先生が、ちょっと心配だから
一日だけ入院しようって」
きっと、私は不安な顔をしているのだろう…
誠一はニコッと笑い、優しく教えてくれた
「私っ…… 私っ…… 」
「仁実、今はとにかくゆっくりしよう…ねっ
大丈夫だから、今は何も考えなくていいから」
「赤ちゃんがいないの、私の赤ちゃんが…
いやっ、違う…私が、私が殺してしまったんだ…
赤ちゃん、お腹の中で頑張ってたのに…
私が殺してしまった…うっ… うっ…
私がもっとしっかりしていれば…もっと…うっ…
ごめんね赤ちゃん、こんなママで…ごめんね… 」