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ありがとうを君に…
第6章 不調
「仁実、それは違う…仁実のせいなんかじゃ
ないんだよ、そんなに自分を責めちゃダメだ」
「…うっ……うっ……」
自分の体から、水分がなくなるんじゃないかと
思うくらい、いつまでも涙は止まらず、私は
ずっと泣き続けていた
夕方になり、先生が部屋に来てくれた
「気分はどうですか?気持ち悪いとか、どこか
痛いところとかありませんか?」
私の目を見て優しく問い掛けてくる
「大丈夫です…」
「それはよかったです、安心しました」
「先生…私の赤ちゃん、もういないんですよね」
「……そうですね、残念ですが流産していました
流産にも色々あるんですが、大野さんの場合
完全流産というものでした」
「完全……流産?」
「そうです、完全流産です…全て出てしまっている
状態でした」
「……」