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ありがとうを君に…
第7章 出会い
その後、高山先生はいつものように病室に来てくれた
耳鼻科での事、きっと看護師さんから聞いている
はずなのに、その事には一切触れない
「今日の調子はどう?」
「…んーっ…まぁまぁです…」
「ハハハッ…まぁまぁか! 少しずつでもよく
なってきているならOK!」
入院から約1ヶ月、食欲は相変わらずで。
先生からは、そろそろ点滴も外そうと言われた
点滴に頼らず、食事を摂っていくように
頑張ろうと。
この頃、お互いの話もするようになった
誕生日や年齢、先生は私より6歳年上だった
結婚して子供もいる
私は実家での事、今まで辛かった事を話した
先生は何も言わず、ずっと聞いてくれた
ほんの些細な事まで、嫌な顔する事なく
ずっと
そして最後には必ず優しい笑顔を向けてくれる
主治医なんだもん、当たり前か。
毎日ではないが、誠一も様子を見に来てくれている
段々、顔付きが変わってきている気がするのは、私
だけ? もう、1ヶ月家を空けてるんだもん
不満にもなるよね
きっとまた、両親から何か言われているんだろうな