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ありがとうを君に…
第7章 出会い
最近、窓の外は雨ばかりのよう
そっか、入院してる間に梅雨に入ったんだ
なかなか外の景色を眺める事など出来なかった
私は、季節の移り変わりがわからず、疎外感を
感じていた
誠一が病院に来る日も減り、でもなぜか
私はストレスもなく、心はスッキリとしていた
梅雨の晴れ間、看護師さんが気分転換に病院の中を
探検しようと提案
私を車椅子に乗せ
「じゃ、出発!」
院内の案内が始まる
「ここは我が病院が誇る、内科棟です」
看護師さんは私が楽しめるように、あれこれと
説明してくれる
よく見ると、診察室はいったい何部屋ある?
ってくらいたくさんだ
あの日、初めてここに来た日、周りなんて見る
余裕はなかった
他の科も案内してくれ、全て廻ったかな?
と看護師さん、すると…
「じゃ、せっかくなので少しだけ外に出て
みようか!」
「えっ…いいんですか?」
「大丈夫だよ、少しだけね!」