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愛里 ~義父と暮らす小学六年生~
第3章 ゴールデンウィーク。旅行二日目
「こんな時間にどうしたの?」

 出来るだけ柔らかく聞こえるように気を付けて、新堂は愛里に声をかけた。
 それでも驚かせてしまったらしく、華奢な肩がびくっと跳ね上がった。

「あ、いえ…ごめんなさい」
「ん?」
「こんな時間に外にいて…」

 ああ、と新堂は笑う。
 
 小太りで背が小さく頭の薄い自分が、こうやって気さくにしていると相手は油断を解いてくれる。

 それが新堂が自覚している自分というもので、それは女性を口説く時の武器にもなった。実際、キャンプ場に訪れた女子大生にこの方法で現地交渉して値引きと引き換えに体を要求し成功させたことがある。

「いいよ。ここはキャンプ場だからね。夜更かししても怒る人なんていないから」

 そう言ってやると明らかに愛里はホッとした表情を見せた。

「でも、こんな時間にどうしたの?」
「…なんか、寝れなくって」
「ああ、こういうところではよくあるみたいだよ」
「え、そうなんですか?」
「うん。キャンプ場でテンションが上がり過ぎちゃってなかなか寝付けなくなっちゃうみたいだね」
「ああ…なるほど」

 何気ない会話で警戒を解かせながらも、新堂は愛里の体を観察する。
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