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姦譎の華
第26章 26
 足裏を踏み、肩でブリッジをしてヒップを浮かせた。そこまでしなければ、とても自我を保てるものではなかった。絶頂の最中も、ディルドの先端が秘室の嘴穴を撫で上げ、幹の丸粒に襞を弾かれる。外では雛先が角に突つかれて、乱爆する喜悦に下肢が攣りっぱなしだった。

「あ……、ウンッ……!」

 鼻先を、何かが掠った。

「ま、待て……、こ、これは、あっ……、なし……おっ、あっ!」

 片手の肉茎が烈しく脈動し、噴射を始めていた。顔を逆へと背けるも、表向いた片側へ次々と白汁がふりかかる。浴びせられた上から重ねて注がれるものだから、熱くヌメヌメとした牡汁が、眉間から鼻筋を泥流となって落ちていった。

「くっさっ……もー、何食べてたらそんなクサくなれんの? あーあー、顔ドロドロじゃん。これは命令違反だね」
「いや、お、俺は……、べ、べつに、……挿れてねえ、ぞ……」
「勝手に挿れるなって言ったのは、勝手にイクなって言ってんのと同じ。それくらい察しろよバカ。お前はもう、今日は射精禁止な」
「そんな、勝手な……」
「ったくもう、皮かむりで変態のブタのくせに、早漏とか終わってんな。童貞かっ!」

 島尾は馬鹿、包茎、変態、豚、早漏までは耐えていたが、童貞という言葉だけは看過できず、

「あ、あんただって、レ、レズじゃないかっ!」
 肉茎から飛んだ残滓を腹の上へと垂らしたまま、顔を真っ赤にして文句を言った。「お、女のくせに……、レズで真性のドSだっ、あんたの方が変態だろうがっ!」

 しかし島尾なりに渾身の罵詈にも、愛紗実は片眉を吊って深い溜息を吐いただけだった。

「っとにもう、あんたってさぁ……レズだとか、Sだとか、そんなもんに頼らなきゃロクに文句も言えないの?」
 膝を踏んで構え直し、多英のウエストを抑えつけると、「私はね、この女が嫌いなだけ。男だとか、女だとか……、SだとかMだとか、そんなの関係なく、シンプルに……このババアが……、大っ、キライなんだよっ!!」

 答えているあいだに虐欲が再燃したらしく、昇気に引き攣り続ける牝洞へ向けて抽送が再開された。遠くに聞こえた愛紗実の言葉が咀嚼されてくると、島尾のせいで加えられることになった陰険なグラインドにも後押しされて、たちまち次なる高みへと追い込まれていく。
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