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第26章 26

「ああっ……！　そん、な、……ま、また……」
「おいババア、一本は壊れたけどもう一本残ってるぞ。咥えろっ」

　片手に残る肉槌は、先端から透明の露をタラタラと溢していた。絶頂は近い。キスを愛紗実に拒まれたのなら、もうコレでもいい。自分でも聞くに耐えない喘哭を塞ぐには。

　首を伸ばし、槌先へ向けて舌を差し出した唇を近づけていくと、

「はあぁ……、い、いいんですかぁ、あ、愛紗実、さまぁ……フェライキさせてもらえるなんて、光栄ですぅ……」

　亀頭が含まれるのを今か今かと見下ろしながら、稲田がウットリと礼を述べると、愛紗実は律動をやめた。

「おまえも出す気？」
「ひっ……。……いっ、いいえっ！　が、我慢しますっ。このク、クサレチ×ポがちぎれようがっ、なんとしてでも──」
「……ああっ!!」

　言い終わらぬうちに、愛紗実は頭を振るって髪を後ろに回し、一撃強打した。肉槌を含むために姿勢を不自然に撚じっていた多英は、そのまま大きく仰け反らされた。

「……うん、そうね。ま、いいんじゃない？　出したいんなら、出せば」
「おいっ！　ズルいぞっ」

　意外な答えに、島尾が当然の不服を述べたが、

「勝手に出すよりマシじゃん。ちゃんと申告するとこがエラいよねー。これからはチビが奴隷Ａ、ブタが奴隷Ｂだな」
「あ、ああ……、愛紗実さま……」

　言葉を聞いてはらはらと涙を流した稲田は、多英の髪をつかんで頭を浮かせると、泣きながら怒っているというわけのわからない形相で唇に先端を擦りつけ、

「しゃっ、しゃぶりたいのかっ、この淫乱秘書めっ」
「は、はい……」

　認めたにもかかわらず、稲田は肉先で白濁のこびりつく額へ横一文字に線を引き、頬線や眉宇、鼻脇まで、顔の至るところをなぞりあげる。唇を被せようとしても、寸前でクイッと亀頭が躱される。

「ほらどうしたっ、欲しいかっ、お、俺のチ×ポコが、欲しいんだろっ。は、早くしゃぶってみろよお……」
「あの、しゃぶれ……ませんっ……、しゃぶらせてっ……は、はやく……、また、イ、……イ、きそ……、うっ、なのっ、はやくっ」

　多英が顔を擦る度に浴びせられる透明のしぶきに目を細めながら、必死になって半開きの口を空に泳がせると、