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旧家のしきたり
第3章 最初の試練
「清さん、本当にこんなことをやらなきゃいけないのか?」
僕は、改めて清さんに聞いた。清さんは、僕の問いには答えず、代わりに奥から大きなお盆のようなものを持ってきた。
「坊ちゃん、すみませんが、服を脱いでください」
「ふう……」
僕は大きくため息をつくと、言われるままに服を脱いだ。清さんがそれを畳み、お盆の上に載せていく。
「下着もです」
「はぁー」
僕は、再びため息をつくと、言われたとおり、下着もとった。全裸になると、清さんは細縄を取り出し、僕を後ろ手に縛り始めた。
「すみませんね、坊ちゃん。坊ちゃんが手を出せないようにするための決まりなんです」
本当にすまなそうに清さんが言った。
「それと坊ちゃんが、自分をいじらないようにするためでもあります」
「気が利いてるね」
僕は皮肉ったが、清さんには通じない。縛るのを続けながら、天井の隅の方を指差し、
「あそこを見てください。カメラがあるでしょ。坊ちゃんは24時間監視されます。その間に漏らしたら即アウトになります。寝ているときでもダメです。気を付けてください」
そこまでやるのか。自分の実家ながら恐ろしくなってきた。
「痛くないですか?」
縛り終えると清さんが聞いてきた。
「大丈夫」と答えると、縄尻を木製の牢格子に結わえ付けて清さんは部屋を出ていった。
僕は、ぼんやり座って待った。目の前に布団が一組敷かれている。
ここでするのか……。
実感がわかなかった。何か夢を見ているような気分だ。
僕は、ぼーっとしたまま時間が過ぎるのを待った。
僕は、改めて清さんに聞いた。清さんは、僕の問いには答えず、代わりに奥から大きなお盆のようなものを持ってきた。
「坊ちゃん、すみませんが、服を脱いでください」
「ふう……」
僕は大きくため息をつくと、言われるままに服を脱いだ。清さんがそれを畳み、お盆の上に載せていく。
「下着もです」
「はぁー」
僕は、再びため息をつくと、言われたとおり、下着もとった。全裸になると、清さんは細縄を取り出し、僕を後ろ手に縛り始めた。
「すみませんね、坊ちゃん。坊ちゃんが手を出せないようにするための決まりなんです」
本当にすまなそうに清さんが言った。
「それと坊ちゃんが、自分をいじらないようにするためでもあります」
「気が利いてるね」
僕は皮肉ったが、清さんには通じない。縛るのを続けながら、天井の隅の方を指差し、
「あそこを見てください。カメラがあるでしょ。坊ちゃんは24時間監視されます。その間に漏らしたら即アウトになります。寝ているときでもダメです。気を付けてください」
そこまでやるのか。自分の実家ながら恐ろしくなってきた。
「痛くないですか?」
縛り終えると清さんが聞いてきた。
「大丈夫」と答えると、縄尻を木製の牢格子に結わえ付けて清さんは部屋を出ていった。
僕は、ぼんやり座って待った。目の前に布団が一組敷かれている。
ここでするのか……。
実感がわかなかった。何か夢を見ているような気分だ。
僕は、ぼーっとしたまま時間が過ぎるのを待った。