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旧家のしきたり
第3章 最初の試練
美穂は唇をぎゅっと噛み締め、襲って来る悦楽の波を振り払うように頭を大きく左右に振った。乱れた髪が顔にほつれかかったが、手を縛られているため払うことはできない。

そんな健気な姿にたまらず僕は、

「美穂、がんばれ」と声をかけた。

美穂の顔がこちらを向いた。潤んだ悲しそうな目で僕を見る。助けて、と訴えているのが僕にはわかった。

助けてやりたかった。でも今の僕にできようもない。できることと言えば美穂を見守ることだけだ。それが何とももどかしく、僕は、気安く声をかけてしまったことを後悔した。

「…………」

僕は、一言も発することができず、美穂の顔を見続けた。その間も美穂の股間からは、ピチャピチャと湿った音が聞こえてくる。

やがて美穂は、諦めたように目を閉じると、顔を反対側に向けた。

「ああっ」

美穂の口から艶めかしい喘ぎ声が漏れてきた。僕は、胸が締め付けられる思いで、それを聞いた。

しばらくすると、美穂は身体をくねらせ、よがり始めた。

「ああ、清吾さんっ」

自ら求めるように清さんの名前を呼ぶようになった。喘ぎ声もどんどん大きくなっていく。

「もういいでしょう」

ようやく清さんが顔を上げた。美穂の流した愛液で口元がべっとりと濡れている。それを腕で拭うと、美穂の両脚の間に割って入るように自らの腰を進めていった。

股間の肉棒は、さっきよりもさらに一回り大きく膨張し、赤黒い胴体には青筋が浮かんでいた。先端からは、餌を前にした獣が涎を垂らすように先走りの液が滴っている。まじめな清さんからは想像できない猛々しさだ。

清さんは、それを押さえつけるように片手で掴むと、膨らんだ先端を美穂の秘唇にくっつけた。割れ目に沿って自らが吐き出す粘液を擦り付けるように前後に動かし、挿入する部分へと狙いを定めていく。

動きが止まった。

「お嬢様、いきますよ」

美穂は何も言わない。観念したように瞼を閉じ、顔を横に背けている。

「坊ちゃんも、しっかり見ててくださいね」

僕を見る清さんの目は獣のように血走っていた。僕は、蛇に睨まれた蛙のように、黙って頷くことしかできなかった。

清さんは、空いている方の手で美穂のくびれた腰を掴むと、自らの腰をぐいっと前に突き出した。先端の膨らみがズブリと美穂の秘孔に差し込まれる。

「うっ、くうぅっ!」

美穂の身体がビクンと震えた。
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