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お嬢様の憂鬱(「ビスカスくんの下ネタ日記」サイドストーリー)
第2章 仕方のない問題
「そうだな。ビスカスも了承しての事かどうかは……本人に聞いてみないと」

「お言葉ですが、接吻は二度なさっておられました」
「え」

 次兄のタンム卿の提案の途中で、涼しい顔のクロウにそう言われ、男一同は固まりました。一度ならば無理矢理ということも可能でしょうが、二度となると、どうなのでしょう。
 クロウの言葉は、駄目押しの様に続きました。

「一度目が終わりかけた所に到着致しましたので、始まりがどちらからどう、というのは、分かりかねますが……少なくとも二度目はお互いに口付け合っておられましたので、一方的な物では御座いませんでした。その後で頬擦りされたり抱き合ったりもされていらっしゃいましたし……それらも、合意無しに出来る事では無いかと存じます」
「……そう、か……」
「ビスカスの奴め……」

 クロウの言葉を聞いたローゼルはこれ以上無い程真っ赤に成り果て、サクナは完全に面白そうな顔になり、父と兄達はビスカスを二、三発殴りたい気分になりました。
 たとえ大怪我を負っていたとは言え、彼等の大事な娘であり妹である水晶の薔薇に、人目が有る場所で口づけだの頬擦りだのを繰り返すとは、何事でしょう。
 しかも、ビスカスは遠戚とは言え家の使用人で、ローゼルより背が低く、醜男では有りませんが美男と言う程でも有りません。腕っ節と身体能力に関しては驚くほど優秀でしたが、言動は下品で性格は適当です。頭は悪く無く生活能力と如才の無さと商才は有りますが、知的な人間と言えるかどうかは甚だ疑問です。
 普通に考えれば、顔も体も頭も含めて完璧な美女と謳われるローゼルに釣り合う男とは、到底認められません。

 ……しかし。ローゼルには婿取りに関して、致命的な欠点が有りました。
 ローゼルは人見知りで高慢で我が儘で、人を人とも思わない性格です。その為、結婚出来る程に心を許せそうな他人が、ほとんど居ないのです。その上、ローゼルが高嶺の花過ぎて男の方が腰が引ける事も多く、見合い相手候補として上がっても「私がローゼル様と見合いなんて、恐れ多くて耐えられません!!」などと断られる事も多々有りました。
 そのような状況では、贅沢は言っていられません。また、ローゼルの性格では、反対すれば逆に意固地になるだけでしょう。
 それに、実際的な面だけ見れば、ビスカスはローゼルの婿として、申し分ない人間では有ったのです。
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