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逆転 (大人の教育をしてやるよ!)
第1章 ふれアい
太陽が眩しい朝、
ここ「時和学園高等学校」の校門の前で一人の女性が沈んだ様に下を向き突っ立ていた。
まだ朝早いので登校する生徒は少なく、グランドや体育館から運動部の掛け声が聞こえていた。
校門の前で立っている女性は綺麗な金髪で、バイオレットの大きな瞳をした小柄で可愛らし女性。
メイクをしていなければ10代…中学生~高校生に見える。
女性は覚悟を決めた様に拳を握り、校門を通り抜けて理事長室に向かう。
――コンコン…
「…入りたまえ」
「失礼します」
理事長室のドアが開き、校門の前で立ち止まっていた女性が中に入る。
「よく来てくれた。」
初老で紳士的な男性が笑顔で女性を迎える。
「……あの、理事長先生。」
女性はオズオズと理事長の机の前に立ち、不安そうな顔で理事長を見る。
「なんだね?」
「ほ、本当によろしいのですか!?私でっ!?」
女性は涙目で理事長に問いただす。
「ああ、君の噂は聞いているよ!倉林 紅葉(クラバヤシ モミジ)君。ハーバード大学でもトップの成績であり、卒業後日本に戻り家庭教師の仕事をして…どんな成績の生徒でも東大や早稲谷など名高い大学に合格させたと私の友人達から聞いている!現に一応君に教師試験をさせたが、素晴らしい成績だっ!?文句のつけようがない!」
理事長は机にある数枚の紙を手に取り、関心したように笑顔で言う。