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逆転 (大人の教育をしてやるよ!)
第1章 ふれアい


「はぁ・・・」

「安心したまえ。君には音楽教師になってもらう。」

「…えっ!?」


紅葉はバイオレットの瞳を大きく見開く。


「私とて鬼ではない。確かに君の従姉妹には英語教師になってもらおうと思っていたが…君はまだ15歳。
ハーバード大学卒業であり家庭教師の経験があるとはいえ、いきなり学校の教師…それも自分より年上の生徒達を相手に指導するにはかなりムリがあるだろう?
それに教師免許をまだ持っていない。授業中は音楽を流し『自習』にして良い。」

「ただし!例えばだが生徒から君に勉強を教えてほしいと頼まれたのなら、積極的に教えてあげてほしい」

「…え?」

「生徒からの申し出なら、これは『授業』ではなく
『個人の勉強』になる。『勉強』なら何の問題もないだろう?」

「確かに…」


理事長の優しい説明に紅葉はゆっくり頷く。


「とにかく!色々大変だと思うが、これも経験だと思ってゆっくり覚えながら3ヶ月間頑張ってほしい!」

「…わかりました。」


理事長は真剣な顔だが、優しい眼で紅葉に軽く頭を下げると、紅葉は少し安心したように顔が綻び礼をする





***


―キーンコーン、

―カーンコーン・・・


放課後、終業のチャイムがなり、紅葉はホッと胸を撫で下ろす。


「全校集会も……挨拶も無事に終わって、本っっ当に良かったっ!!?」


朝、理事長室に行った後、校長と教頭に案内され職員室で全教師達に自己紹介。怪しまれずになんとかクリア。ハーバード大学で自分より年上の人達に囲まれて勉強していたので、色々鍛えてある。
その後は全校集会。
今日心臓がパンクするかもしれない一大イベントっ!!
全校生徒の前で挨拶と自己紹介っっ!!!
深呼吸を何回やっただろうか!??
とにかく酸素が欲しかったから、マイクの前に立つ前に音を出さないようにゆっくり深呼吸した。

なんとか躓かず噛まず間違えずに自己紹介ができた!

それでも、今現在心臓は鳴りっぱなしである。

TVアナウンサーはすごいな…と変に(?)感心してしまう。

でも無事に終わって良かったと紅葉は胸を撫で下ろす




…ただ、一つ気になる事が…………


マイクで話している時に一人の男子生徒と目が合った。

クールな表情とは裏腹に…

燃えるように熱い瞳に……
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