この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
いつかの春に君と 〜 番外編 アンソロジー集〜
第1章 三日月夜にワルツを
告白があった日から、和葉は伊織に対して少しも態度を変えることはなかった。
相変わらず伊織に甘えたり、ふざけたりと無邪気に接してくる。
教練中はライバル心剥き出しに、好戦を仕掛ける。
それは伊織に安心感を与えた。
…と、同時に和葉が無邪気に触れる手や耳朶を掠める甘い吐息に、それまで以上の動揺が走ることに戸惑いを隠せなかった。
…自分を愛していると言った青年が目の前にいて、その眼を見張るばかりの美しさを惜しげもなく晒していることに、息詰まるような気持ちになるのだ。
和葉がさらりとシャツを脱ぎ捨て、部屋着に着替える様子や、まるで美しい彫像のような横顔を見せながら、無防備に眠る様子が、見まいとしても視覚の隅に入り込む…。
それは伊織に微かな怯れを齎し、その都度心の騒めきを無意識の奥底に沈めることに躍起になっていた。
…そんな折に、伊織は思いもかけぬ人からの伝言を受け取ったのだった。
相変わらず伊織に甘えたり、ふざけたりと無邪気に接してくる。
教練中はライバル心剥き出しに、好戦を仕掛ける。
それは伊織に安心感を与えた。
…と、同時に和葉が無邪気に触れる手や耳朶を掠める甘い吐息に、それまで以上の動揺が走ることに戸惑いを隠せなかった。
…自分を愛していると言った青年が目の前にいて、その眼を見張るばかりの美しさを惜しげもなく晒していることに、息詰まるような気持ちになるのだ。
和葉がさらりとシャツを脱ぎ捨て、部屋着に着替える様子や、まるで美しい彫像のような横顔を見せながら、無防備に眠る様子が、見まいとしても視覚の隅に入り込む…。
それは伊織に微かな怯れを齎し、その都度心の騒めきを無意識の奥底に沈めることに躍起になっていた。
…そんな折に、伊織は思いもかけぬ人からの伝言を受け取ったのだった。