この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
契り【~初身世】
第1章 渡り橋
「どうしてですか?」
男性は動揺することなく、静かに少女に問いただす。
「…」
再び少女は黙り込み下を向く。
「それは…現世で二度も運命に見放されたから……ですか?」
「!」
「図星のようですね。今福線。」
「………」
少女は目を大きく開けて男性を見る。
「あなたは…?」
「私は死神です。この三途の川…221番地の監視官です。」
男性は軽くお辞儀をする。
「死神…」
「今福線、どうでしょう。4つの選択ができないならこの「橋」の管理人になってみませんか?」
「え?」
「この「橋」は現世と霊界を結ぶ渡り橋。今は未完成だと言いましたが、管理者がいないだけ。あなたがこうして「橋」にたどり着いたのも何かの縁です。どうでしょう?4つの選択ができないのなら、死神となって「橋」の管理人になり死者達の魂を導いてみませんか?」
「…私にできるの?現世に…人間達や路線達に見放された私に……?」
「それを決めるのは、君自身ですよ。今福線」
死神の男…弥勒は真剣な眼差しで今福線を見る。